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小川 益郎
Nuclear Engineering and Design, 308, p.133 - 141, 2016/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.71(Nuclear Science & Technology)2011年の福島における深刻な原子力惨事に鑑み、誰もが受け入れることができる原子力プラントを目指し、原子力プラントにおける安全性の新たな基本概念;「深刻な惨事を絶対に起こさない。」と、放射性廃棄物の新たな基本概念;「環境に影響を及ぼす可能性がある放射性廃棄物をそのまま環境に戻さない」を提案した。本研究では、「閉じ込める」ことができるようにではなく、「閉じ込め続ける」ことができるように、物理現象を使う。これによって、inherent safetyを完成させた。放射性廃棄物の新たな基本概念を実現するため、PCBのような他の廃棄物の最終的処理・処分方策と同様の最終的処理・処分を目指し、放射性廃棄物を出さずに、核分裂生成物を無害化しなければならない。これらの新たな基本概念を用いた「新高温ガス炉」として、必要な条件を満たすことができる新しい高温ガス炉を提案した。この新高温ガス炉が安全性、放射性廃棄物排出に対する環境保全性の社会的要請、経済性、資源持続性、利用の多様性等の産業的要請、核不拡散性、炭酸ガス排出に対する環境保全性等の国家的要請に応えることができることを示した。
McCracken, G.*; Stott, P.*; 飯吉 厚夫*; 村岡 克紀*; 中井 貞雄*; 嶋田 道也
核融合; 宇宙のエネルギーを私たちの手に, 326 Pages, 2015/00
核変換による核融合エネルギー解放の発見の経緯、1940年代からの地上での核融合研究開発の歴史を分かりやすくまとめたものが2004年に刊行された本書の初版である(和訳、2005年刊)。日本, 欧州, 米国, ロシア, 中国, 韓国, インドの協力で南仏に核融合実験炉ITERの建設が進行し、米国のローレンスリバモア放射研究所の国立点火施設における最近の成果など大きな進展をみせている研究状況に鑑みて、2013年に第2版が出版された。本書はその和訳である。
竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 東島 智; 木島 滋; 仲野 友英; 大山 直幸; Porter, G. D.*; Rognlien, T. D.*; Rensink, M. E.*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1618 - 1627, 2005/12
被引用回数:18 パーセンタイル:51.39(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの内部輸送障壁を有する先進トカマクプラズマの運転領域を、高閉じ込め及び高放射損失割合を達成しつつグリーンワルド密度(n)を超える領域まで拡大した。負磁気シアプラズマでは、/n=1.1においてHモードからの閉じ込め改善度HH=1.3を得た。この時、周辺ペデスタル密度はグリーンワルド密度の半分程度と低いにもかかわらず、強い密度内部輸送障壁を形成することにより高い平均密度を得ている。同放電では、金属不純物の蓄積が観測されており、主プラズマからの放射損失が加熱パワーの65%に達しているが、閉じ込めの劣化は観測されない。また、ダイバータでの放射損失を増大するために、ネオンを入射した放電では、/n=1.1にて、HH=1.1,総放射損失割合90%以上を達成した。高ELMy Hモードプラズマ(弱正磁気シア)では、アルゴン入射と高磁場側ペレット入射により、/n=0.92,HH=0.96,放射損失割合100%を達成した。同放電でも、強い内部輸送障壁の形成により高平均密度が得られている。アルゴン輸送解析から、主プラズマ中心での放射損失はおもにアルゴンによること、ダイバータでのアルゴンの放射損失は20-40%程度であることが明らかになった。
Polevoi, A. R.*; 嶋田 道也; 杉原 正芳; Igitkhanov, Y. L.*; Mukhovatov, V.*; Kukushkin, A. S.*; Medvedev, S. Y.*; Zvonkov, A. V.*; Ivanov, A. A.*
Nuclear Fusion, 45(11), p.1451 - 1456, 2005/11
被引用回数:33 パーセンタイル:70.37(Physics, Fluids & Plasmas)粒子閉じ込めが改善された種々の閉じ込めシナリオにおいてペレット入射が満足すべき条件を検討した。その結果ペレット入射に必要な粒子補給量は100Pam/sで十分であることを明らかにした。この検討にはペデスタル輸送モデル,ヘリウム輸送モデル,SOL及びダイバータ輸送と整合性のある境界条件を用いた。誘導運転のHモード(HH98(y,2)=1)におけるペレット条件は衝突度が小さい領域における粒子閉じ込め改善を考慮した。ハイブリッド及び定常運転におけるペレット条件は改善閉じ込め(HH98(y,2)1)を考慮した。粒子輸送条件が広範囲に変化してもプラズマ性能はそれほど変化しないことを示した。中性粒子電流駆動及び電子サイクロトロン電流駆動のみを用いた新しい定常運転シナリオを開発した。この運転シナリオは低域混成波電流駆動を必要としないためペレット入射による電流駆動効率の低下の問題を回避することが可能である。
坂本 宜照; 東井 和夫*; 福田 武司*; 福山 淳*; 藤田 隆明; 小川 雄一*; 滝塚 知典; 竹永 秀信; 矢木 雅敏*; 山田 弘司*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 81(8), p.626 - 627, 2005/08
2005年の春季に、ITPAに関する上記4つの会合が開催された。「輸送物理」,「閉じ込めデータベースとモデリング」,「周辺及びペデスタルの物理」の3会合は、京都大学(福山研究室主催)にて同時に開催され、トピカルグループ間の合同会合も多数開かれた。日本の参加者は約50名に上った。冒頭の全グループ合同会合では、伊藤(核融合研)が乱流輸送理論研究の新展開について報告した。また、韓国からは1名が参加し、韓国における核融合研究の最新成果について報告した。「定常運転」の会合は、「ITERにむけたECRH物理と技術」に関する第3回IAEAテクニカル・ミーティング(2005年5月24日、イタリア、コモ)に引き続き行われた。次回会合は、上3グループは10月36日にロシアのサンクトペテルブルグで、「定常運転」グループは11月に米国のサンディエゴで開催の予定。
岩井 保則; 林 巧; 小林 和容; 西 正孝
Fusion Science and Technology, 48(1), p.460 - 463, 2005/07
被引用回数:4 パーセンタイル:30.51(Nuclear Science & Technology)換気中の室内にトリチウム漏洩が発生した場合のトリチウム挙動とその初期閉じ込め性能を把握するための三次元コードを開発し、その整備を続けている。今回、本コードを用い、室内トリチウム漏洩事象が発生した際に単位時間あたりの室内換気回数がトリチウム閉じ込め性能に与える影響,トリチウム漏洩検知までにかかる時間に換気回数が与える影響,ダクトとトリチウムモニターの最適位置について検討した。本検討の結果、(1)換気回数のトリチウム閉じ込め率への影響は小さく、37GBqのトリチウム漏洩を想定した場合では99%を大きく上回る閉じ込め率が得られること,(2)漏洩を検知するまでにかかる時間は換気回数が小さい程長くなる傾向にあるものの数分以内であり、室内に排気ダクトを均等に配してトリガーモニターを各排気ダクト内に設置することで漏洩の迅速な検知が可能であること,(3)緊急遮断弁閉止後、トリチウム濃度が均一になるまでにかかる時間は数時間のオーダーであること、などが得られた。トリチウムは漏洩直後にはプルームを形成して室内の換気流れに従い広がる。よって初期の閉じ込めではプルームを直接排気しないことが重要であり、排気口を壁面から離して配することが有効な対処法である。
浦野 創; 鎌田 裕; 滝塚 知典; Suttrop, W.*; Horton, L.*; Lang, P.*; 久保 博孝; 大山 直幸; 竹永 秀信; 朝倉 伸幸
プラズマ・核融合学会誌, 81(4), p.280 - 287, 2005/04
ELMy Hモードプラズマにおけるコア部エネルギー閉じ込め及びELMによるエネルギー損失に対するペデスタル構造の役割をJT-60UとASDEX Upgradeにおいて調べた。高密度領域で見られる閉じ込め劣化はELMで制限されるペデスタル温度の低下と温度分布の硬直性によって起きていることを明らかにした。高三角度または不純物入射Hモードでは、それぞれ周辺部MHD安定性の改善,密度分布の中心尖塔化によって高ペデスタル温度が得られることによって、中心部の高閉じ込めが実現されることがわかった。ELMのロスの上限値はペデスタル部のエネルギーで決まることがわかった。ELM間の熱輸送はペデスタル部での衝突周波数の増加とともに増大し、ELM自体による損失パワーは次第に減少することがわかった。ASDEX Upgradeにおいて、ペレット制御がコア部の閉じ込めを維持しながら、ELMのロスを低減させる有効な手法であることを明らかにした。
吉川 潔*; 多幾山 憲*; 大西 正視*; 山本 靖*; 長崎 百伸*; 増田 開*; 督 壽之*; 堀池 寛*
JAERI-Tech 2005-006, 116 Pages, 2005/03
ヘリウムのシュタルク効果を用いたレーザ誘起蛍光電界分布計測を球状静電閉じ込め型核融合中性子/陽子源装置中の重水素プラズマに適用可能とするため、入射用ヘリウム励起パルス原子線の高効率発生法を開発,確立するための研究を行った。さまざまなプラズマ生成方式を検討し、最終的にマグネトロン方式により、ヘリウム原子線との相互作用長の長いレーストラック形状のプラズマの低圧力化での生成が、簡潔・コンパクトな構成で可能となった。また、高密度の超音速パルス原子線の高繰り返し入射を実現するための装置を設計・製作して、性能を評価した。そして、高密度化を達成するための装置の改善点が明らかとなり、当初目標の達成が十分視野に入るまでになった。
浦野 創
JAERI-Research 2004-027, 131 Pages, 2005/02
Hモードプラズマのエネルギー閉じ込め特性のプラズマ密度依存性,プラズマ形状効果,不純物ガス導入の効果及びコアプラズマの熱流束の影響をそれぞれ解明した。また国際マルチマシンデータベースを用いて、JT-60UにおけるHモードの閉じ込め特性の他装置との比較を行った。高密度領域では、ペデスタル肩の温度の低下に伴って、コア部の温度勾配特性長を一定に保つように中心部温度が低下した。高三角度化及びアルゴン注入によるHモードについても、ペデスタル温度の上昇が炉心プラズマの閉じ込めを決定することがわかった。また炉心プラズマの熱流束が増加しても、温度勾配特性長を一定に保つように熱拡散係数が増大した。国際マルチマシンデータベースを用いた検討では、高三角度化が将来のトカマク炉において適した運転手法であることを示した。
鎌田 裕
日本原子力学会誌, 47(1), p.45 - 52, 2005/01
核融合炉の設計に必要なトカマク炉心プラズマの性質を解説する。炉心プラズマの基本構成と熱・粒子の収支を概観し、閉じ込め特性,安定性,電流駆動,第一壁熱負荷,ディスラプション回避・緩和、等の要素性能に関して要求される性能と、これまでの達成度を述べる。さらに、炉心プラズマにとって最も重要な視点が「総合性能」の向上であり、そのためには自律性の高い燃焼・高ベータプラズマにおける複合制御が必要であることを述べる。
朝倉 伸幸
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(12B), p.B335 - B347, 2004/12
被引用回数:18 パーセンタイル:51.27(Physics, Fluids & Plasmas)本発表では、最近のリミタ及びダイバータトカマクの長時間放電実験における周辺プラズマと対向材の水素吸着についてまとめる。特に、JT-60Uでは昨年度から長時間運転(最大65秒)を開始した。比較的高密度の高閉じ込めHモード放電を30秒間維持し、これを繰り返す実験を行い、ダイバータ及び第一壁の飽和現象とダイバータプラズマの変化を調べた。ダイバータ排気とともに多量の重水素ガスパフ(0.5と1.5g)を行った実験を続けたが、飽和現象は見られず、両者とも約半分の重水素がダイバータ部に吸着した。しかし、ダイバータ排気を停止した放電の後では吸着量は低下した。ダイバータ低温部(プライベート部)での吸着量が増加し飽和に近づいたと考えられる。さらに放電中の飽和現象もダイバータのプライベート部で観測された。局所的な粒子リサイクリング束と炭素発生の増加が観測されたが、30秒放電ではダイバータ全体の5-10%程度と小さい。しかし、ELMの性質が変化し、X点付近の周辺における中性粒子密度の増加あるいは、電流密度や圧力分布の変化により、周辺プラズマの閉じ込め特性が劣化すると考えられる。
竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 東島 智; 木島 滋; 仲野 友英; 大山 直幸; Porter, G. D.*; Rognlien, T. D.*; Rensink, M. E.*; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60Uの内部輸送障壁を有する先進トカマクプラズマの運転領域を、高閉じ込め及び高放射損失割合を達成しつつグリーンワルド密度(n)を超える領域まで拡大した。負磁気シアプラズマでは、/n=1.1においてHモードからの閉じ込め改善度HH=1.3を得た。この時、周辺ペデスタル密度はグリーンワルド密度の半分程度と低いにもかかわらず、強い密度内部輸送障壁を形成することにより高い平均密度を得ている。同放電では、金属不純物の蓄積が観測されており、主プラズマからの放射損失が加熱パワーの65%に達しているが、閉じ込めの劣化は観測されない。また、ダイバータでの放射損失を増大するために、ネオンを入射した放電では、/n=1.1にて、HH=1.1,総放射損失割合90%以上を達成した。高 ELMy Hモードプラズマ(弱正磁気シア)では、アルゴン入射と高磁場側ペレット入射により、/n=0.92,HH=0.96,放射損失割合90%を達成した。同放電でも、強い内部輸送障壁の形成により高平均密度が得られている。アルゴン輸送解析から、主プラズマ中心での放射損失はおもにアルゴンによること,ダイバータでのアルゴンの放射損失は20-40%程度であることが明らかになった。
坂本 宜照; 東井 和夫*; 福田 武司*; 福山 淳*; 藤田 隆明; 小川 雄一*; 滝塚 知典; 三浦 幸俊; 矢木 雅敏*; 山田 弘司*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 80(8), P. 678, 2004/08
ITPA(国際トカマク物理活動)における「輸送物理」,「閉じ込めデータベースとモデリング」,「定常運転及び高エネルギー粒子」の3つのトピカル物理グループの第6回会合が2004年3月に日本原子力研究所那珂研究所において開催された。各グループで行われた議論の概要について報告する。
飛田 健次; 小関 隆久; 中村 幸治
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(7), p.S95 - S105, 2004/07
被引用回数:10 パーセンタイル:32.04(Physics, Fluids & Plasmas)ホール半径r/a=0.6の電流ホールを持つ核融合プラズマにおけるアルファ粒子閉じ込めとビーム電流駆動を数値解析により評価した。このように広い電流ホールが存在する場合、通常アスペクト比(約4)のトカマク炉では15%を超えるアルファ粒子損失が生じうることを示した。一方、低アスペクト比(約2)のトカマク炉は、リップル率の急速な減衰及び磁力線構造の点でアルファ粒子閉じ込めに優位であり、このような電流ホールに対しても損失は2%程度に抑えられる。ビーム電流駆動という観点では、電流ホールプラズマは要請するビームエネルギーが低く既存技術で対応できるという利点がある反面、電流ホールの維持のために必要な電流分布と実際の電流駆動分布がそろわない問題があり補助的な利用に限られる可能性がある。
山田 弘一*; 河村 弘; 土谷 邦彦; 石塚 悦男; 内田 宗範*; 圷 陽一; 本木 良蔵; 渡辺 渡; 平田 省吾*
JAERI-Tech 2004-036, 138 Pages, 2004/03
本報告書は、核融合炉ブランケット材料の照射後特性試験施設を設置するにあたり、施設概念を明らかにし、施設整備の第一段階である材料試験を行うための「トリチウム増殖関連材料実験設備」を焦点にして検討を行ったものである。核融合炉ブランケット研究開発を進めるために、37TBq(1000Ci)規模のトリチウムと線源を同時に有する試料の照射後試験を非密封で行える施設が必要である。そこで、本報告書では、合理的な照射後試験施設整備を進めるための検討の一環として、既存施設を有効利用して施設整備を行う場合を想定し、具体的に検討すべき項目やその内容についてのモデルケースをまとめた。具体的な既存施設としては、大洗研究所内に既存のRI利用開発棟施設を取り上げ、本施設への改造整備方法について検討を行った。
竹永 秀信; 大山 直幸; 藤田 隆明; 山田 弘司*; 西村 清彦*; 田中 謙治*; 坂本 隆一*
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 2003 - March 2004, P. 12, 2003/10
JT-60UとLHDにおいて、高密度領域での閉じ込め劣化及び粒子輸送について比較した。高密度領域での閉じ込め劣化に関しては、回転変換から求められる等価的なヘリカル系でのグリーンワルド密度とISS95スケーリングからの改善度との関係を磁気軸3.6mのLHDプラズマにおいて調べた。LHDでは最外殻磁気面近傍で回転変換が急激に増加するため、LHDでの密度限界スケーリング近傍のデータでもグリーンワルド密度比(f)は0.6程度にとどまっている。閉じ込め改善度は、f0.1ではfが大きくなるにつれて低下する傾向にある。JT-60UのELMy Hモードプラズマでは、f0.3-0.4でLモードからの閉じ込め改善度の低下が同様に観測される。粒子輸送に関しては、磁気軸3.9mのLHDプラズマにNBとEC加熱を行った場合とJT-60UプラズマにEC加熱のみを行った場合の比較を行った。LHDではホローな密度分布が観測されており、外向きの対流速度があるものと思われる。ガスパフモジュレーション実験から粒子輸送係数の導出を試みたが、変調成分の振幅と位相の両方の分布を満足する拡散係数と対流速度は得られなかった。一方、JT-60Uではピークした密度分布が観測されており、中心部に粒子源がないために内向き対流速度が存在していると考えられる。
Mukhovatov, V.*; 下村 安夫; Polevoi, A. R.*; 嶋田 道也; 杉原 正芳; Bateman, G.*; Cordey, J. G.*; Kardaun, O. J. F.*; Pereverzev, G. V.*; Voitsekhovich, I.*; et al.
Nuclear Fusion, 43(9), p.942 - 948, 2003/09
被引用回数:43 パーセンタイル:76.69(Physics, Fluids & Plasmas)ITER のQの値=(核融合出力)/(補助加熱入力) を3つの異なる方法を用いて予測し比較した。第1の方法は経験的な閉じ込め時間比例則及び規定された輸送係数の分布を用いる。第2のアプローチは規格化パラメータをITERに類似した値に規定した放電に基づく外挿(ITER相似実験)を用いる。第3のアプローチは部分的に理論に基づいた輸送モデルに基づく。プラズマ電流15MA、プラズマ密度がグリーンワルド密度を15%下回る密度の条件ではITERH-98(y,2)比例則によるエネルギ-閉じ込め時間は3.7秒、標準偏差が14%である。第1の方法によってQの範囲を予測すると、補助加熱入力40MWの場合[6-15]である。また、良好なELMy Hモード閉じ込めが得られる範囲で補助加熱入力を最小に設定した場合は[6-30]である。JETにおけるITER相似実験による予測、及び、理論に基づいたモデルによる予測は、閉じ込め時間の経験則による予測と、不確定性の範囲内で一致する。
滝塚 知典; 小川 雄一*; 三浦 幸俊; 矢木 雅敏*; 藤田 隆明; 東井 和夫*; 福田 武司*; 福山 淳*; 居田 克巳*; 谷津 潔*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 79(6), p.628 - 629, 2003/06
「閉じ込めデータベースとモデリング」(1),「輸送及び内部障壁の物理」(2),「周辺及びペデスタルの物理」(3)のITPAトピカル物理グループ第4回会合が、2003年4月にサンクトペテルブルグ(1,2)と那珂(3)で開催された。残りの4つのトピカル物理グループは7月の第30回EPS会議後にサンクトペテルブルグにおいて会合を開くことになっている。サンクトペテルブルグでの2会合には日本から3名の参加に対しEU,米,ロシアからは約50名の参加者があった。一方那珂の会合には国外からの参加は5名に留まった。それぞれのグループで共通した議事として、ITERの高性能運転領域(Q10の準定常運転, 核融合出力0.7GW)の検討結果と、ITER建設協議の現状が報告された。また、ITPA共通課題として、ITER等の燃焼プラズマに関連するトカマクの物理の最近の研究開発成果を(1999年発表の"ITER Physics Basis"に引き続き)Nuclear Fusion誌に発表するため、各グループ会合においてそれぞれ目次・内容と著者等について議論し決定した。
二宮 博正
日本原子力学会誌, 45(4), p.243 - 248, 2003/04
日本原子力研究所の大型トカマク装置JT-60では、プラズマの温度,密度を高め、またエネルギーの閉じ込めを良くするためには、プラズマ電流分布やプラズマ圧力分布を適切に制御することが重要なことを明らかにしてきた。この結果、1996年には、重水素―トリチウム燃料に置き換えたときのプラズマ加熱パワーと核融合反応出力の比率である等価エネルギー増倍率で1.05を得て臨界プラズマ条件を達成するとともに、1998年には等価エネルギー増倍率1.25という世界最高性能のプラズマを実現した。さらに、世界に先駆けて核融合炉に要求されるプラズマの各種目標性能を同時に達成する研究を進め、国際熱核融合実験炉(ITER)に対し重要な貢献を果たすとともに、世界のトカマク型定常核融合炉の研究開発を牽引・先導してきた。併せて、これらの研究を支えるプラズマの加熱・電流駆動装置等の開発・改良を行い、炉工学への貢献も行ってきた。本稿では、これらJT-60の研究全体を概観しつつ、最近の成果と今後の展望を報告する。
炉心プラズマ研究部炉心プラズマ計画室
JAERI-Review 2003-012, 41 Pages, 2003/03
本報告書は、2002年10月14日から10月19日にかけてフランス、リヨンで開催されたIAEA主催第19回核融合エネルギー会議における発表論文の概要をまとめたものである。